株式会社商船三井向け、LNG燃料フェリー2隻の建造資金を資金使途とするシンジケーション方式トランジション・ローンに参加 - 経済産業省のクライメート・トランジション・ファイナンスモデル事業に採択された、本邦初のトランジション・ローン -
2021年9月9日
株式会社愛媛銀行(以下、当行という)は、株式会社日本政策投資銀行(以下、DBJという)及び三井住友信託銀行株式会社(以下、三井住友信託銀行という)組成による株式会社商船三井(本社:東京都港区、以下、当社という)向けのシンジケーション方式トランジション・ローン※1(以下、本ローンという)に参加しました。
当社は外航分野全般のほか内航フェリーも手掛ける、我が国でも有数の海運事業者です。当社は、2021年6月に「商船三井グループ環境ビジョン2.1」を策定、2030年までにLNG燃料船90隻の導入等を通じ、海運業界のなかでも先駆けて2050年までに当社グループ全体でネットゼロ・エミッションの達成を目指す目標を掲げています。
本件は、当社及び当社グループ会社の株式会社フェリーさんふらわあ(本店:大分県大分市)が、大阪~別府航路で運航を予定している日本初のLNG燃料フェリー2隻(以下、本船という)の導入に対して、トランジション・ローンを実施するものです。本ローンは、本船投入航路や建造される造船所に近接する西日本地域所在の地域金融機関等を中心として組成されました。
本船は、国土交通省「内航船省エネルギー格付制度」により最高評価5つ星の認証を受けており、本船導入により、硫黄酸化物排出量のほぼゼロへの低減や重油専焼比20%以上のCO2削減効果が見込まれます。また本船は、西日本地域の人・モノの輸送を支える重要な海上インフラとしての役割に加え、国内のモーダルシフトを推進する効果も期待されます。
本ローンは、本邦で初めてトランジション・ローンとして、経済産業省のクライメート・トランジション・ファイナンスモデル事業に採択されました※2。また、本ローンの適格性については、国際資本市場協会(ICMA)「クライメート・トランジション・ファイナンス・ハンドブック」及びLMAなどが策定する「グリーンローン原則」等に準拠する旨、株式会社日本格付研究所(以下、日本格付研究所という)による第三者評価を取得しました※3。
愛媛銀行は持続可能な開発目標(SDGs)を支援しています。
<本船概要>

《本船イメージ図》
船名・竣工予定日 | 「さんふらわあくれない」:2022年12月 「さんふらわあむらさき」:2023年3月 |
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造船会社 | 三菱造船株式会社 下関造船所 |
乗客数 | 714名 |
トラック積載可能数 | 136台(13m換算) |
航行速力 | 22.5ノット |
全長 | 199.9m |
総トン数 | 約17,300トン |
<シンジケーション方式トランジション・ローンの概要>
借入人 | 株式会社商船三井 |
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アレンジャー | DBJ及び三井住友信託銀行 |
コ・アレンジャー | 三井住友銀行 |
トランジション・ストラクチャリング・エージェント | DBJ、三井住友信託銀行及び三井住友銀行 |
エージェント | 三井住友信託銀行 |
貸付人 | 当行、DBJ、三井住友信託銀行及び三井住友銀行、山口銀行、肥後銀行、大分銀行、北九州銀行、山陰合同銀行、広島銀行、横浜銀行、伊予銀行、京都銀行 |
資金使途 | LNG燃料フェリー2隻(本船) |
トランジション認証にかかる第三者評価機関 | 日本格付研究所 |
<参考>
- ※1 トラジション・ローンとは、パリ協定が目指す脱炭素社会の実現に向け、長期的な移行(トラジション)戦略に則った温室効果ガス削減に取り組んでいる企業を支援することを目的とした融資の枠組みです。
- ※2 経済産業省のウェブサイトをご参照ください。
https://www.meti.go.jp/shingikai/energy_environment/climate_transition/002.html
- ※3 株式会社日本格付研究所のウェブサイトをご参照ください。